Levi’s(リーバイス) のヴィンテージジーンズのレプリカブーム
国産ジーンズの歴史には様々な分岐点がありました。その中でも2007年はジャパンデニムを語る際に外せない重要な年で、その前と後ではジャパンデニム業界の様子が大きく変わりました。
言わずと知れた世界で一番売れているジーンズのLevi’s(リーバイス) 501のリーバイ・ストラウス社が、2007年にカリフォルニア州の連邦地方裁判所に日本のジーンズメーカー10社以上を「バックポケットのステッチとレッドタブのデザインがLevi’s(リーバイス)のものと類似してる」と訴訟をおこしました。被告はFULLCOUNT(フルカウント)、SAMURAI JEANS(サムライジーンズ)、EVISU(エヴィスジーンズ)、WAREHOUSE(ウエアハウス)、STUDIO D’ARTISAN(ステュディオ・ダ・ルチザン)などでした。実際、Levi’s(リーバイス)のバックポケットにある「アーキュエットステッチ」や赤タブは世界中で商標登録されており、アメリカでは最も古い商標登録です。
90年代後半、日本でヴィンテージジーンズのレプリカブームが到来しました。どのブランドが一番ヴィンテージのLevi’s(リーバイス)に近づけるかと、ファッション雑誌でも頻繁に特集が組まれていた程、市場全体が夢中になっていました。アーキュエットステッチとまるっきり同じにはできないが、どこまで特徴を待って似させるか各社力を入れていて、当たり前のように赤タブもつけてました。
しかし2007年の事件をきっかけに、ジャパンデニム業界で加熱の一途をたどっていた「ヴィンテージジーンズのレプリカブーム」が終焉を迎えました。リーバイスの請求にしぶしぶ和解に応じるブランドもある一方、異議を申し立てて勝利を収めたブランドもあり、様々な結末をもたらしました。
Levi’s(リーバイス)のアーカイブの再現性で定評のあったWAREHOUSE(ウエアハウス)もこれを受け、看板モデルの廃盤を発表しました。
2007年以後のジャパンデニムブランド
2007年以後Levi’s(リーバイス)のヴィンテージの再現性を前面に打ち出すジャパンデニムブランドは少なくなり、その影響で消費者もヴィンテージのレプリカに興味が薄れていきました。その後、ジャパンデニムブランドはレプリカジーンズ作りで磨き上げた技術で日本製のクオリティの高さを武器にしながら、再現性ではなく独自性を高めました。
現在、そういったブランドが世界で評価され人気を博しています。MOMOTARO JEANS(桃太郎ジーンズ)やThe Flat Head(フラットヘッド)がその筆頭格と言えるでしょう。
まとめ
1990年代年代後半から2007年までLevi’s(リーバイス)のヴィンテージジーンズの再現ブームが訪れ、各ジャパンブランドは再現性に力を入れてました。
2007年にリーバイ・ストラウス社がカリフォルニア州の連邦地方裁判所で起こした裁判が日本のジーンズメーカーの分岐点になりました。
現在、日本人の物作りやアイデアはLevi’s(リーバイス)のジーンズ真似ずとも、世界のジーンズファンを魅了しています。