日本のジーンズで世界市場で成功している国内オンラインショップOKAYAMA DENIM(オカヤマデニム)の人気の理由とは

中井カズ
ジーンズソムリエ。アメリカの大学を卒業後、ニューヨークのファッション業界で経験を積んだ。帰国後は商社にてファッションの国際流通に携わっている。

岡山デニムと聞けばデニム生地やジーンズを思い浮かべる方が多いと思いますが、OKAYAMA DENIM(オカヤマデニム)という名前のECサイトを知っていますか?
国産ジーンズをメインに取り扱う同社は、日本国内ではあまり認知されていませんが、海外では多くのファンがいて人気を博しています。
このオンラインショップを率いているのがMehervan Sethi社長(以下Merv氏)。
Mehervan Sethiとは何者か、OKAYAMA DENIM(オカヤマデニム)とはどんなウェブサイトなのか、そしてその人気の理由などを知りたく話を聞いてみました。


– まずMervさんのことを教えてください。

私は在日インド人3世で神戸生まれの神戸育ちです。
1952年に祖父が来日し以来、一族は神戸で貿易商をしています。
地元にいた時はインターナショナルスクールに通い、その後アメリカのボストンの大学に進学しました。


– どのようにしてOKAYAMA DENIM(オカヤマデニム)を立ち上げたのですか?

大学卒業後2010年に神戸に戻り、建築機器の輸出商社に就職しました。
去る2011年に未曾有の災害である東日本大震災が起こり、どうしても被災地の復興支援に何かできないかと考えていました。
そしてジーンズのベルトループでブレスレットを作りチャリティー販売をすることに行き着きました。
そのブレスレットを世界に向けて15ドルで販売し、売り上げはすべて日本赤十字に寄付する”okayamadenimproject.com”というプロジェクトを立ち上げました。
なぜデニムだったかというと、誰もが履いているベースとなる服、デニムは日本というイメージが世界では強いので伝わりやすい、買う側のメリットとして高級なジャパンデニムが15ドルで少しでも体験できると思ったからです。
もちろん私自身が元々 ファッションが大好きというのもあります。
そしてこのプロジェクトが実質のOKAYAMA DENIM(オカヤマデニム)の始まりです。
なぜかといえば、ジーンズの業界の人達、例えば工場やブランドオーナーと会うことができたからです。
その中の一人のpure blue japan(ピュアブルージャパン) 岩谷社長が私にこう言いました。
「児島ジーンズストリートをオンライン上に再現して、ジーンズを世界に売ってみたら?」
それから私は、世界中のジーニストが憧れる児島ジーンズストリートのような越境ECの立ち上げを決心し、2012年1月1日に現在のOKAYAMA DENIM(オカヤマデニム)をローンチしました。
当時誰もこのようなことはしていなく、基本的な私たちのバリューである”誰もしていないことをする”が具現化されました。


– OKAYAMA DENIM(オカヤマデニム)のショップの特徴を教えてください。

日本のジーンズをメインに国産のアパレルを世界中に売っていている越境ECです。
昨年の時点では74カ国にお客様がいます。
普段、日本のお客様がOKAYAMA DENIM(オカヤマデニム)で買い物することはあまりありません。
しかし後述しますがブランドとOKAYAMA DENIM(オカヤマデニム)とコラボ商品の時だけは日本のお客様が買われます。
このコラボ商品はOKAYAMA DENIM(オカヤマデニム)以外どこにも売ってないですからね。


– 誰がどのようにブランドのセレクトをしているのですか?

基本的には私自身が好きなものを仕入れていますが、一番大切にしているのはサイズ感です。
自分のサイズが海外市場に合うので、それを目安にしています。
また、私はOKAYAMA DENIM(オカヤマデニム)のお客様のテイストを理解しているので、お客様に喜ばれそうな服を選んでいます。


– コラボジーンズのことを教えてください。

コラボ商品のことをOKAYAMA DENIM +(オカヤマデニムプラス)と名付けています。最初のコラボは2015年でMOMOTARO JEANS(桃太郎ジーンズ)でした。
それから様々なブランドとコラボし、50アイテム以上は作りましたね。コラボの時のポイントとして、お客様のニーズに合うようにすることです。こんな生地でこんなシルエットにしたらお客様が喜ぶなといった具合です。
また、私たちのバリューである”誰もしていないことをする”も大切です。
例えば、もしかしたら日本人に少しダサいと思うコンセプトかもしれませんが、抹茶など分かりやすい日本っぽいものを使って生地染めもしています。

今日履いているSTUDIO D’ARTISAN(ステュディオ・ダ・ルチザン)とのコラボでOD+SDA “MATCHA” SELVEDGE JEANSがまさにそれで、横糸だけ抹茶で染めています。

生地は、最初の国産自動織機である豊田自動織機のG3で織っていてヴィンテージみたいな少しザラ感のある生地です。
シルエットも海外で人気な細身にしています。
日本は最近太めのジーンズも人気ですが、 海外ではまだまだ細身のジーンズがトレンドなのでコラボアイテムは細身が多いです。
余談ですが、日本のトレンドの早さは世界でトップで、パリ・ロンドン・ニューヨークなどの影響力があるファッション都市の中で、東京は12〜18ヶ月ほどトレンドが早いと思います。
また日本はみんなファッションに詳しいので、変な話し海外向けの方が楽です(笑)

– 次のコラボジーンズはどんなものですか?

STUDIO D’ARTISAN(ステュディオ・ダ・ルチザン)とのコラボです。
多くは語れませんが、前回は抹茶でしたので今回は何かしらのお茶です。
面白いコンセプトなので、楽しみにしていてください。

– OKAYAMA DENIM(オカヤマデニム)の目標は何ですか?

OKAYAMA DENIM(オカヤマデニム)も8年経ち、多くの国にお客様がいるので、そのお客様に対して責任を全うすることです。
次に誰もしていないことをするとう私たちのバリューを市場に与えて行くこと。
そして何より楽しみながらやっていくことです。


– 最後にMerv氏の人生の中で一番のお気入りのジーンズを教えてください。

1999年中学生の時に人生で初めて買った国産セルビッチジーンズであるSugar Cane(シュガーケーン)のジーンズです。
しかし大学でアメリカに行っている間にお母さんに捨てられてしまいました。
ものすごくショックでしたね(笑)
今でしたら扱っているブランドは全部好きなので選ぶのが難しいです。

OKAYAMA DENIM(オカヤマデニム)のコラボジーンズギャラリー


Okayama Denim x Big John
12OZ. “BAMBOO” JEANS (NEW TAPERED)


Okayama Denim x pure blue japan
18OZ. “KAKISHIBU” SELVEDGE JEANS (SLIM TAPERED)


Okayama Denim x STUDIO D’ARTISAN
“MATCHA” SELVEDGE JEANS


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