黄金比を語る、ANATOMICA(アナトミカ)の618デニムシリーズ
あなたは黄金比という言葉を耳にした事はありますか?古くから私たち人間が最も美しく感じる比率として黄金比と呼ばれるものがあり、それを取り入れられたものが世の中には多く存在します。
その比率は縦横が、1:1.6180339887…と円周率のように続きます。簡単に言うと、縦が1の時に、横の比率が1.618倍であると、私たちは無意識に美しいと思ってしまうのです。ギリシャのパルテノン神殿、古代エジプトのピラミッド、レオナルド・ダ・ヴィンチのモナリザ….世界の名だたる名建築や芸術品にも多く見ることができ、自然界にも多くあると言われております。
ここまでは美術や建築を勉強された方なら聞いたことがあるかもしれませんが、この黄金比を語るデニムがある事はご存じでしょうか?そのデニムの商品名に618という黄金比の数字が入り、まるで黄金比の様に美しいシルエットであると銘打っています。それが日本でも大人気のフランス・パリ生まれのブランド、ANATOMICA(アナトミカ)の618 デニムシリーズです。
ANATOMICA(アナトミカ)とは
ここでANATOMICA(アナトミカ)についても触れておきます。1994年世界的にも有名なファッションエリアであるパリのマレ地区にANATOMICA(アナトミカ)はオープンしました。オーナーはピエール・フルニエ氏。
現在70歳を過ぎてなお、自ら店頭に立ち接客もこなす、アパレル業界のレジェンドです。ピエール氏は、現代のセレクトショップの先駆けとも言える、GLOBE(グローブ)、HEMISPHERES(エミスフェール)を手掛けたカリスマバイヤーとして知られていました。多くのモノを見て触って仕入れて販売してきた氏が、多種多様な人体にフィットする服と靴に着眼したコンセプトショップとしてオープンしたのがANATOMICA(アナトミカ)です。現在ではフランスのパリに2店舗、日本は東京を中心に北海道から福岡までの6店舗の合計8店舗を構え、その普遍的なスタイルから根強いファンがいることで有名なブランドです。
618 ORIGINAL(618オリジナル) の誕生
618 ORIGINAL(618オリジナル)デニムが誕生したのは、2007年の事。 それまでいわゆるフレンチアイテムを作っていたANATOMICA(アナトミカ)でしたが、RockyMountainFeatherbed(ロッキーマウンテンフェザーベッド)を実名復刻させた35SUMMERS(サーティーファイブサマーズ)の代表の寺本氏とタッグを組み、アメリカモノの商品企画に着手します。第一弾として選ばれたのはデニムでした。黄金比のように美しいシルエットを持つデニムを提案したいというピエール氏の構想があり、2006年の発案から7回ものパターン&サンプル修正を加え、1年以上の歳月を費やし、ようやく完成したのが618 ORIGINAL(618オリジナル)。こだわりはパターンだけにあらず、生地もオリジナルで開発し、細部に至るまでこだわりが詰まったデニムが完成しました。
股上は深く、テーパードのないストンと真っすぐ下に落ちる裾幅広めのシルエットで、クラシックでありながら上品に見えます。この品の良さは、このデニムの最大の特徴であるサイドシームレスと、特注のデニム生地にあります。まずはサイドシームに注目します。外側に縫い目が全くないですね。とてもすっきりしててミニマルな印象を与えてくれます。耳がないデニムはアメリカデニム好きにはどうなのかと思われるかもですが、これは古く存在したUS.NAVYの作業パンツに見られるディテイールなのです。マニアックな仕様ですが、古き良きディティールを現代のデニムへと見事に昇華させています。
生地には、50年代のLee101Zに使用された左綾織のデニムをベースに、岡山県にてオリジナルの生地を開発し使用しております。左綾デニムの特徴は、糸の撚りと同じ方向の左綾で織り上げることで、糸の撚りが締まり綾目が立ち、表面がフラットになり光沢感が生まれます。618 ORIGINAL(618オリジナル)のデニムの品の良さは、この光沢感から来ているのですね。対して、リーバイスに見られる右綾デニムは、左撚りの糸を逆方向の右綾で織る事で緩みが生じ、より表面がざっくりとした表情になり、色落ちもしっかりと強くでる傾向があります。ハチノスやヒゲが出てくる経年変化楽しみたいなら、右綾デニムの方が良いとされています。ピエール氏はなるべく色落ちさせることなく、出来るだけ長く濃い色のままデニムを履きたいという思いがあり、左綾デニムはその思いとも見事にマッチしています。またボタンフライでなくジップフライであるところもポイントです。革パッチが使われているので、経年変化も楽しめますね。Aの文字はとてもインパクトがあります。
新しく誕生した、618 LEAN
618シリーズに新作デニムが登場しました。その名も618 LEAN。LEANとは、もたれるや寄りかかると日本語訳できますが、様々な角度から見ても美しく落ちるシルエットに由来しており、裾に向けて緩やかなテーパードがかかっております。特に膝下からの傾斜が少し急になっており、ヒップの位置が上がって見える、すなわち足が長く見える魔法のシルエットを持つデニムなのです。生地には右綾織の両耳アメリカ製デニムが使われております。先にあるように右綾ですので、表面がざっくりとした生地感で、より経年変化を楽しむならこちらを選びたいです。また表からは見えないのですが、バックポケットには隠しリベットがあり、右ポケット内にはユニオンチケットと、アメリカデニム好きにもたまらないディティールが揃っております。
大ヒット中の女性向けデニム618 MARILYN(618 マリリン)
女性の間で大流行している、ハイウエストで履くデニム。これらの火付け役であるのが、ANATOMICA(アナトミカ)から女性向けにリリースされた618MARILYN(618 マリリン)というデニムであると言われております。リーバイスで過去に作られていた、701というモデルのデニムからヒントを得て、その昔アメリカの大スターであるマリリン・モンローが好んでこのデニムを履いていたことから、その名が付けられました。股上が非常に深く、腰の高い位置できちんと履く事で、様々な体型をカバーしてくれる美しいシルエットになっております。また、ピンクの耳が使われているのもポイントです。こちらは女性らしいだけでなく、当時の701のデニムにも実際に使われていたものを忠実に再現しています。
東京都内のANATOMICA(アナトミカ)取り扱い店一覧
ANATOMICA TOKYO(アナトミカ東京)
東京都中央区東日本橋2丁目27 1F&B1F 19Sビル
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まとめ
アパレル界のレジェンドが発案した、フレンチの目線から考えられた黄金比のように美しいシルエットをもつデニムは今までのアメカジデニムとは一線を画すものですので、ぜひ一度トライしてみてはいかがでしょうか。また先にあるようにピエール氏はデニムをあまり色落ちさせずに、出来るだけ長く濃い色で履く事を好み、デニムをお酢漬けして洗う方法を推奨しています。ご興味ある方はANATOMICA(アナトミカ)のお店に行くと洗い方を伝授してくれます。
【ジーンズの豆知識】
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